代表者のご挨拶

なぜ、海育ちの私が山にこだわるのか

 私が生まれ育った鳥羽市は、昔よりうまし国(美し国)と呼ばれてきた伊勢志摩のど真ん中。
伊勢海老、牡蠣、鮑、鯛やヒラメなど、良質な海産資源に恵まれた美しい環境が魅力です。
また、世界で初めて、真珠の養殖が成功するという奇跡が起きた舞台でもあります。
あまりにも恵まれたこのエメラルドグリーンの不思議な海。
ただ潮風を感じて、そこで息をしているだけなのに、自然とありがたい気持ちがファーっと湧き上がってきます。

 私は兄弟や友達とたくさん海で時間を過ごしてきました。
海は私にとって完全に生活の一部であり、
人生の一部と言っても過言ではないほどに、切っても切れない存在です。
私にとって故郷の海は、語り尽くせないほどに大きな影響を与えてもらった師匠、恩人のようなものです。
そして大人になり、故郷の海と街に何かしら役に立てることがないか考え始めるのでした。

では、なぜ、海を大切にしたい私が林業なのか。
結論、それはズバリ、健全な海を育むのは、山だからです。
山と海は河川でつながっていますよね。
山から海へ水が流れ込むわけです。
健全な山からは、理想的なバランスの栄養が海へ流れていきます。
しかし、荒れた山では、土地は痩せ、養分が適切に海へ流れていきません。
本来、海と山はつながったペアのようなものとして考えた方が適切であって、
私たち人間が、勝手に海と山を切り離して考えているだけに過ぎないのです。

私はこの事実を目の当たりにしたとき、取り組むべきは山からだと確信したのです。
若手や後継者が少ない業界ですが、やってこれたのは、
ひとえに創業からのメンバー、家族、地域の方々、お客様、故郷の海、全てのおかげです。
この場を借りて厚く御礼申し上げます。

これからも、美しい自然と海、街のためにできることを
林業を通じ発信、提案、実践いたします。
精進して参りますので、
何卒、弊社を温かく見守っていただければ幸いです。